初心者にもわかるダイヤ買取
ファミリーレストランでは、テーブルテントを読む客は2%で、ファストフード店では25%だった。
劇的な差だが、理由は簡単。
ファミリーレストランの客は、2人から4人(あるいは家族)連れが多い。
おしゃべりに夢中でメッセージに気づかない。
だが、ファストフード店の典型的な客は一人で食べる。
死ぬほど気晴らしを求めているので、ぎっしりと文字が書かれたトレーの下敷きに読みふけり、スティーブン・キングの新刊の第1章でも印刷されていればそれも読んでしまうだろう。
わが社のクライアントであるSは、サンドイッチがハンバーガーにくらべてどれほど健康によいかという宣伝をナプキンに印刷していた。
われわれは、さらにその先をいく助言をした。
脂肪分を比較した表をナプキンに印刷するようすすめたのだ。
ファストフード店の座席では、よそだったら見向きもされないメッセージも読まれること請け合いだ。
わかりやすいモデルがあるではないか。
シリアルの箱の裏側である。
そんなわけで、ファストフード店がどのようにゾーン分けされているかがわかった。
奥へ入るほど、メッセージを長くしてもよいのだ。
入口には2語か3語。
テーブルには小さい文字が何行も書かれたメッセージだ。アメリカ郵政公社案内文の言語におけるもう一つの教訓は、アメリカ郵政公社のおかげで得られた。
公社の依頼で、われわれは未来の郵便局の設計の参考となる大規模な調査を実施した。
われわれが訪問したあるモデル郵便局では、カウンターの背後に巨大なバナーをぶらさげ、各種サービスの宣伝をしていた。
調査の結果、客の14%がそれらのバナーを見ており、平均時間は5,4秒だった。
さらに、カウンターの両脇の壁には、切手コレクションのポスターが貼ってある。
やはり客の14%がそれを見ており、客が読む平均時間は4,4秒だった。
これは掲示板や案内板の世界ではかなりいい数字だ。
それに予想外でもない。
郵便局で並んでいるあいだ、ほかにすることがあるだろうか?カウンターの背後や脇は、案内のメッセージを置く場所としては季節を問わずもっともホットなところなのだ。
この郵便局ではまた、筆記台を利用する客に見せる案内板もぶらさげていた。
これらのメッセージを読むのは利用客のわずか4%、平均して1,5秒間。
計量器の上に吊り下げられたモビールの文字を読む客はわずか1%、平均して3,3秒だった。
これは当然だ。
書きものをしたり計量したりしている客がそんなものを読むはずがない。
こんな案内はないほうがましなくらいだ。
先日、通りかかったファストフード店で、窓の案内文のお手本と言ってもいいような例を見かけた。
迫力満点の文字で「ビッグ・バーガー」。
店に入ると、もっとくわしいことがわかる(当店でビッグなハンバーガーを)。
実にスマートなメッセージだ。
メッセージを2つか3つに分割して、店の入口から奥に向かって小出しにしていくのである。
案内文とはかならず自立したもの、メッセージ全体を単独で提示するものだという考えは、想像力の貧しさのあらわれであるばかりか、人の頭脳がどうはたらくかについて無知であることをさらけだしている。
この方法で楽しめるメッセージをつくることだってできるのだ。
思い出してほしい、道路沿いに交通標語のような看板を何フィートかおきに並べた、あのPのユーモラスな宣伝文がいかにアメリカのイコンとなったかを。
銀行、ファストフード店、郵便局には共通点がある。
大勢の客が同じ方向を向いてじっと立っているということで、これはコミュニケーションには絶好の機会である。
相違点は、銀行が案内板設置の芸術と科学の観点からすると、最悪のルール違反をしているということだ。
銀行も多大なエネルギーを費やして、有効なメッセージと役に立たないメッセージとのちがいを理解しようとしている。
世界最大かつ最高に洗練された金融機関の支店へ行ってみればわかるが、商品案内のような資料の配置に噴飯ものの誤りが見られる。
教会のバザーの手づくりクッキーの販売や、子供の小遣い稼ぎのレモネード・スタンドのほうが、ここにひきあいにだした銀行よりもまだましな広告のセンスをもっている。
私のオフィスから5分の場所に、C・M銀行の支店があるが、そこにでかけると次のようなマーチャンダイジングの工夫が見られる。
円形テーブルに、まず見たこともないほど安っぼいディスプレイを置いていた。
また、カナダのある銀行では、つい最近、客が使う筆記台に新型のバックライト・ディスプレイをいくつか置いて、銀行が提供するサービスや融資のくわしい説明を流していた。
とても美しかった。
しかし、残念ながら誰も読まなかった。
繰り返しになるが、預入伝票に記入したり小切手にサインしたりするときは注意を集中しているので、ほかのことを考える余裕などない。
記入が終わったら、今度は急いで列に並ぶのだ。
青いビニール製のテーブルクロスを掛けたうえに、自動車や住宅ローンのパンフレットが投げだしてあり、その横にはテレビモニターが置かれている。
昔はサービス案内のビデオを見せていたのだろうが、もう使われなくなってから久しく、すっかり挨をかぶっている。
テーブルが押しこまれているのは銀行のフロントの隅、顧客サービスのデスクからわずか数フィートしか離れていないところだ。
あまりのことに思わず笑ってしまうが、他の銀行も似たりよったりだ。
わが社のクライアントであるカリフォルニアの銀行は、新たに小切手の利用手数料を無料にしたことを宣伝するため、人や車の往来が激しい外の道路から見えるように屋外バナーをだすことを思いついた。
ここまでは正しい。
ところが、バナーに次のように記したのである。
「このたび当行が開始いたしました小切手利用の手数料を無料にする方針につきまして、係員が親身にご説明申し上げますので、どうぞお立ち寄りください」これは間違いだ。
これを読むには、わざわざ車を停めなければならない。
くどすぎるのだ。
高速道では、2語くらいのわかりやすい言葉、たとえば「フリー・チェッキング」で意を伝えなければならない。われわれが悲しい調査結果を伝えたところ、頭取は言った。
「よかった。おかげさまで、あんなクズに100万ドルも無駄づかいせずにすみましたよ」。
だが、もちろん頭取はやはり100万ドルを行内のメディアに投じた。
しかも、その金を効果的に使うことができたのだ。
やはり銀行で、実に簡単で効果的な設置場所を見つけたことがある。
われわれはある支店をあらゆる角度から調査するために雇われていて、銀行が提供するMMF(マネー・マーケット・ファンド)やCD(譲渡性預金)、自動車ローンなどのサービスや投資についてのパンフレットを納めた大きなラックも調査対象だった。
ラックは入口の左側の壁ぎわに置かれ、入ってきた客はそのすぐ横を通るようになっている。
客の全員がラックのすぐ脇を通った。
だが、誰もパンフレットに手をださなかった。
繰り返しになるが、理由は明白である。
人が銀行に入るのは、大事な用事があるからだ。
銀行をひやかしにくる客などいない。
その用事がすむまでは、ほかのものは目に入らず耳にも聞こえないのだ。
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